更多操作
- 第1シリーズ/黎明期シリーズ
- 時の冒険者 ~荒ぶる時代の波を越えて~
- 時の冒険者2 ~未来への鍵~
- 時の冒険者3 ~愛は惜しみなく与う~
- 第2シリーズ/時空破戒の乱シリーズ
- 時の冒険者ACE 前篇・胎動の章
- 時の冒険者ACE 中篇・破戒の章
- 時の冒険者ACE 後篇・黄昏の章
- 時の冒険者ACE外伝 ~堕ちた天使の覚醒~
- 時の冒険者ACE外伝2 ~時空を越えた愛のカタチ~
- 第3シリーズ/Fシリーズ
- 時の冒険者F 融合という名の新境地 起の章
- 時の冒険者F 融合という名の新境地 承の章
- 時の冒険者F 融合という名の新境地 転の章
- 時の冒険者F 融合という名の新境地 結の章
- 時の冒険者 AfterF 去りし記録のパラドックス
- 時の冒険者F Burst of Illusion 幻想を破りしモノ。
- コメント
第1シリーズ/黎明期シリーズ
時の冒険者 ~荒ぶる時代の波を越えて~
東京都内在住の高校生・藤原宗介と、その後輩・結城亜美は、ある日「時の術者」と名乗る謎の青年と出会う。
彼によって魔力を与えられ「時の冒険者」となった藤原と亜美は、日本を守るため「妖怪」と戦う事になる。
妖怪の重鎮「クロノス五芒星集」との戦いの中、藤原と亜美は、
深瀬明日香・二階堂麗子・横山優樹菜・綾小路雛子たち「時の冒険者」の仲間と出会い、互いの絆を深めていく。
しかし、時の術者の真の目的は藤原たち時の冒険者の力を高め、その力を用いて並行世界を侵略する事だった。
時の術者は妖怪の総帥・クロノスという真の姿を現し、時の冒険者に服従を迫る。
だが時の冒険者は絆の力、そして亜美に芽生えた正体不明の力「聖なる加護の光」によってクロノスを打ち破る。
クロノスを倒し平和が戻ったかと思われたが、クロノスの裏には真の黒幕・時空神サトゥルヌスが控えていた。
時空神サトゥルヌスの居城・時空の狭間で、復活した五芒星集の面々との戦いを制した時の冒険者たちだったが、サトゥルヌスの強大な力の前に打つ手を失ってしまう。
しかし、その時何者かが亜美に語り掛けた。
声の主は大天使ミカエル。
創造主フュージョンからサトゥルヌスを倒す命を与えられたミカエルは、亜美の体に憑依(神憑り)する事で、彼女に「聖なる加護の光」という力を与えていたのだ。
聖なる加護の光により、時空神サトゥルヌスを消滅させ、勝利をつかんだ時の冒険者たち。
しかし、戦いはまだ終わってはいなかった。
時の冒険者2 ~未来への鍵~
穏やかな正月を楽しんでいた藤原は、謎の声に導かれ、1000年後のアメリカへと召喚されてしまう。
そこで出会った秘密特務部隊「AOT」の面々から協力を要請された藤原は、はじめはその申し出を断るも、クレア・スタンフォードとの出会い、そして親友である片桐彰との再会を経て、未来のため戦う決意を固める。
クレア、モニカ・ランチェスター、イザベル・クリーブランドら、未来の「時の冒険者」、そしてサポートアンドロイドのシーラと共に、「黄昏の三闘士」と呼ばれる怪人と戦う藤原。
ある日、彼は偶然立ち入った研究施設に残されていた資料から、未来社会には遺伝子操作によって魔力や超人的身体能力を得た人間が存在する事、そして、そのようにして生まれた人々を抹殺しようとする者がいる事を知る。
AOTの協力者であり、大統領との仲介役も務めていたアメリカ軍准将ギルバート・マックスウェル。
彼こそがこの戦いの黒幕であり、怪人たちを取りまとめる存在だった。
遺伝子操作の「失敗体」であるギルバートは、成功体と呼ばれる人々に対して、そして自分のような存在を生み出したこの世界に対して、測り知れない憎しみを抱いていた。
共謀者であった大統領ランドルフ・ノイマンと共に浮遊城ブラッディーキャッスルに乗り込んだギルバートは、藤原たちへ向けて宣戦布告を行う。
いかなる経緯か、時空神サトゥルヌスの力を手にしていたギルバートに対し、時の冒険者はまるで歯が立たない。
そこに現れたのはクレアの兄クリス・スタンフォード。
かつてはギルバートによって洗脳され、怪人の上官「ブラック・ジョーカー」として戦わされていた男だった。
クリスはギルバートの不意を付くと、彼を道連れに時空の狭間へと転移する。
大きな犠牲を払いながらも、時の冒険者は未来のアメリカを守り抜く事に成功した。
戦いを終え、藤原は元いた世界、1000年前の日本へと帰還する。
帰還の直前、クレアから渡された手紙に目を通しながら、藤原は未来の世界へと想いを馳せるのだった。
時の冒険者3 ~愛は惜しみなく与う~
未来社会で怪人が、そして現代で妖怪が復活した。
彼らは創造主の眷属「アカシック・レコードの使者」と呼ばれる者たちの配下となり、以前とは比較にならないほど強大な力を得ていた。
彼らの目的は「記された記録(アカシック・レコード)」からズレた世界の修正。すなわち時の冒険者の抹殺だった。
現代・未来・過去を巡る壮絶な戦いの末、藤原たちはアカシック・レコードの使者を倒す事に成功する。
平和の訪れに安堵する藤原の前に現れたのは、時空の狭間へと消えたはずのギルバートだった。
彼は創造主によって新たに「アカシック・レコードの使者」に選定されていたのだ。
決着をつけるべく、藤原たちはギルバートの招きに応じ、時空の狭間へと乗り込んでいく。
ギルバートの口から明かされた衝撃の真実、それは現代・未来・過去、本来は同じ時間軸に連なる一つの世界が、三つの並行世界へと分岐しているという事だった。
ギルバートは真の姿―ギルバートを取り込み力を得たサトゥルヌス―を現し、時の冒険者に最終決戦を挑む。
たとえ{アカシック・レコードから外れた世界であっても、この世界は自分たちが生きた証。時の冒険者たちの思いは一つだった。神の力とアカシック・レコードの使者の力を増幅させるサトゥルヌス、それに対抗し、全ての力を藤原に結集させる時の冒険者たち。
しかし、互いの力が激突する直前、サトゥルヌスの力が不自然に消え失せた。
創造主は私怨によって動いたサトゥルヌスを見限り、一度は与えた力を剥奪したのだ。
そして、創造主の意を受けたアカシック・レコードの使者、ゼロによりサトゥルヌスは消滅させられ、戦いは思わぬ形で終結した。
時の冒険者にこの世界の行く末を賭ける。それが、創造主の下した新たな決断だった。
世界は守られた。しかし、アカシック・レコードの使者の座は空位となった。
創造主は、藤原が新たなる使者となる事を願っていたが、藤原に思いを寄せる亜美とクレアは
藤原が自分たちの元からいなくなる事を望まなかった。
そこに大天使ミカエルが現れた。世界が「記された記録」からズレた理由は自分にもあると考えていたミカエルは、藤原に代わりアカシック・レコードの使者の座に就く事を申し出る。
創造主とゼロの承認を受けたミカエルは、藤原たちに別れを告げ、彼らを時空の狭間から脱出させた。
戦いを終えた藤原だったが、彼が抱える全ての問題が解決したわけではなかった。
亜美とクレア、どちらを選ぶのか…二人に迫られ悩む藤原は、「あの時アカシック・レコードの使者になれば良かった」と少しだけ思うのだった。
第2シリーズ/時空破戒の乱シリーズ
時の冒険者ACE 前篇・胎動の章
遺伝子操作の技術が飛躍的に発達し、人類の半数以上が遺伝子操作を受けて誕生する時代。
魔力を有する「精神的成功体」超人的な身体能力を持つ「肉体的成功体」
あるいはその両方の力を持つ人間は、今や世界各地に存在するようになっていた。
そして、世界を統轄する組織・AOTのアメリカ本部には、特に優秀な精神的成功体が集まるのだった。
そのAOT本部では、代表・秋月正樹とAOT本部小隊長の面々により、臨時の幹部会が行われていた。
議題は、スポンサー志望者の申し出を受け入れるか否か。
AOT本部第4小隊長補佐シモン・フェルナンデスは得体の知れない相手を受け入れる事は危険だと反対するが、小隊長の多くは賛成の立場を表明する。
翌日、スポンサー志望者である武器商人ランダが、契約を結ぶためAOT本部に現れた。
しかし、彼女の真の目的は並行世界を自らの手で一元管理する事だった。
並行世界への干渉は禁忌であるというAOTの掟に従い、ランダからの協力要請を拒んだ秋月正樹は、ランダの力によってあえなく殺害されてしまう。
自身の配下であるイライザ、同じくスポンサー志望者だったマジードと結託し、AOT本部第4小隊長ニコラス・ガルシアに秋月代表殺害の罪を着せたランダは、スポンサー特権を行使し、脱走したニコラスおよび第4小隊の追討をAOTの小隊長たちに命じる。
過酷な逃避行の中、ニコラスは第1小隊長イリヤー・ムーロメツと交戦し、重傷を負わされる。
転移魔法によって危機を乗り切った第4小隊だったが、休む間もなくランダが操る魔導兵器「ラグナロク」と遭遇。
ニコラスは部下を救う為、イリヤーに負わされた傷も癒えぬまま、単身ラグナロクへと戦いを挑む。
逃避行を続けるシモン達は、カナダ国境付近で小隊長たちの待ち伏せにあい、戦闘を余儀なくされる。
絶対的不利な状況の中、シモンの持つ銃剣リグ・ヴェーダに眠る破壊神シヴァが覚醒した。
シモンに憑依したシヴァは、次々と小隊長を切り伏せていく。しかし破壊神シヴァは、殺戮を止めようと割って入った第4小隊員にして秋月代表の娘・秋月望愛にもその殺意を向ける。
望愛の危機を救ったのはイリヤーだった。ラグナロクを操るランダを目の当たりにしたイリヤーは、
第4小隊とニコラスの潔白を確信し、無益な同士討ちを止めるために第4小隊の足跡を追っていたのだ。
イリヤーの計らいにより「国外追放」という形でカナダへと送られる第4小隊一行。
AOTを救うため、力をつけて必ず戻ってくる。イリヤーにそう誓い、シモンはアメリカの地を後にした。
時の冒険者ACE 中篇・破戒の章
シモンたち第4小隊がAOTを追放されてから、4年の歳月が経過していた。
親友クラウディオ・デ・ペドロと共にカナダで「レジスタンス組織ACE」を立ち上げたシモンは、ついにランダを討伐するために立ち上がる事を決意した。
しかしAOTの諜報部は、レジスタンス組織ACEの動きをすでに察知していた。
今やAOT代表となったランダは、第1小隊長イリヤー、第7小隊長ヴィリアム・レーンクヴィスト、そしてニコラスの遺児であり、新たに第4小隊長に就任したリオン・ガルシアに本部の防衛を命じる。
AOT本部にてイリヤーと再会したシモンだったが、彼はシモンたちを「逆賊」と断じ、刃を向ける。
元・第4小隊全員を圧倒するほどの強さを見せつけるイリヤー。その変貌に戸惑いながらも必死に食い下がるシモン。
戦いのさ中、銃剣リグ・ヴェーダに眠るシヴァは、イリヤーが何者かによって操られている事をシモンへと示唆した。
イリヤーを洗脳した主はランダだった。しかし、イリヤーは正気を取り戻した隙に己へと刃を突き立て、強引に洗脳を解除する事で第4小隊をランダの魔の手から守り抜いた。
ニコラスの息子リオンを憎しみから解き放って欲しい。そうシモンたちに告げ、イリヤーは息を引き取ってしまう。
恩人の死を悼む間も無く、次なる戦いに挑むシモン。その前に立ち塞がったリオンは、部下であり幼なじみのグレース、そして義母アンドロイドのシーラにACEの足止めを命じ、自身はシモンとの一騎打ちに臨む。
戦いの中に和解の糸口を探すシモンだったが、リオンの憎しみは想像を越えて深いものだった。
ランダはリオンに「父ニコラスはシモンによって殺害された」という偽りの情報を教え込んでいたのだ。
戦いが佳境に差し掛かった頃、ランダが戦場に現れた。
驚くリオンに対し、ランダは無情にも、自らがニコラスを殺害した事を宣言する。
更に、ランダは4年前よりもはるかに強化された「魔導兵器ラグナロク」を召喚した。
ラグナロクは、人が発する負の感情を喰らい成長する。リオンの絶望は、ラグナロクにとって格好の餌だった。
絶望に囚われたリオンを救ったのはグレースだった。復讐の為ではなく、この世界の為に戦ってほしい、その言葉を聞いたリオンは再び立ち上がると、その切っ先を真の敵であるランダへと向ける。
これまでの非礼を謝罪し、シモンへと共闘を申し出るリオン。これなら勝てる…クラウディオの目には確信が宿っていた。
ランダによって魔法吸収能力を解放されたラグナロクに対し、シモンはシヴァの力を用いて挑みかかる。
強大なポテンシャルを秘めたラグナロクは、シヴァにとっても脅威であり許しがたい存在だったのだ。
「紅の閃光」となったシモンは、圧倒的な力を魅せ、瞬く間にラグナロクを半壊へと追い込んだ。
部下であり、弟でもあるヴィリアムに救いを求めたランダだったが、ヴィリアムはそれに答える事無くあっさりとランダを切り捨てた。
そのヴィリアムの招きに応じ、シモンたち第4小隊は再びAOTに復帰する事となる。
だが、これまでの騒動は前哨戦に過ぎないものだった。
新たなる敵の名は「時空テロ組織ディメンジョン・シフター」。
イライザ、マジード、今は亡きランダ、そしてヴィリアムは皆、時空テロ組織DS総司令・朱元璋の配下だったのだ。
そして、朱元璋はランダの死後、暴走状態にあったラグナロクまでもを戦力として確保していた。
全ての精神的成功体の抹殺を目標に掲げ、全世界に宣戦布告を行う朱元璋。
彼が初めに狙いを定めたのはAOT本部だった。朱元璋が召喚する怪物・次元蟲の大群によってAOTは容赦なく攻撃され、多数の死傷者が発生する事態となる。
更に、本性を現したヴィリアムは「魔封結界」の力によりリグ・ヴェーダに眠るシヴァを封印。
そして、シモンと恋仲になっていた秋月望愛を人質に取り、DSの本拠地・ヴァルハラへと去って行った。
この日、AOT本部は事実上の崩壊を迎えたのだった。
時の冒険者ACE 後篇・黄昏の章
小隊長ら主だった面々に犠牲者は出なかったものの、時空テロ組織DSの圧倒的な力を目の当たりにし、AOT本部には重苦しい雰囲気が漂っていた。
更に主戦力の一人であるシモン・フェルナンデスは、秋月望愛を失った事により、抜け殻のような状態になっていた。
そんなシモンを立ち直らせたのは、ランダ打倒を終え、一度は解散したレジスタンス組織ACEの面々だった。
再びシモンと戦いたい。シモンの力になりたい。シモンの持つ「人を惹き付ける力」が、彼らにそう言わせていた。
そして、AOTの生存者とACEの構成員は一丸となり、新たなる組織「時空騎士団ACE」を結成。
皆の熱意に応え、シモンは時空騎士団ACE提督として再び立ち上がる決意を固めたのだった。
シモンの提督就任を快く思わなかった第3小隊長アルフォンソ・ロンバルディは時空テロ組織DSに寝返るが、朱元璋には捨て駒として扱われあえなく戦死してしまう。
時空テロ組織DSの標的となっている、世界各地の精神的成功体をAOT本部に集合させた時空騎士団ACEは、「AOTの防衛」と「秋月望愛の救出」を目標に掲げ、二方面作戦を展開する。
防衛はリオンを中心としたAOTの面々、救出はシモンと元・レジスタンス組織ACEの面々が担当する運びとなった。
シモンたちはACEの旗印であった「旗艦メシア」の隠された力を使い、浮遊城ヴァルハラへと突入する。
その直後、AOT本部に現れたのはイライザとマジード、そして禍々しい姿に変貌したラグナロクだった。
しかも、ラグナロクに生体ユニットとして搭載されていたのは、行方不明となっていたあのニコラス・ガルシアだった。
父親を傷つける事に躊躇し、戦いの手を止めてしまったリオンに、ラグナロクの猛攻が容赦なく襲いかかる。
グレースは身を挺してリオンを守るが、それも限界が近づいていた。しかしその時、シーラの身に異変が起こる。
シーラに移植されていた、リオンの母マリアンヌの脳が、グレースの「リオンを思う心」に共鳴し覚醒したのだ。
圧倒的な力を発揮しラグナロクを攻撃するシーラ。彼女は、そしてニコラスはリオンに、ラグナロクを破壊するよう訴える。
迷いを捨てたリオンの身には、これまでとは比較にならない強大な力が目覚めていた。
「無限光(アイン・ソフ・オウル)」。
大天使ミカエルの神懸りを受けたある女性が有していたその力は、ニコラスに、そしてリオンにも受け継がれていたのだ。無限光の力で、リオンはイライザとラグナロクを打ち倒す。
そして無限光の中、ニコラスとマリアンヌは息子リオンと最後の別れを交わすのだった。
一方その頃、ヴァルハラを進むシモンたちの前に現れたのは帰還命令を受けたマジード、そして更なる強化を遂げたラグナロクだった。
マジードの中に宿る死を司る天使・アズラエルは、かつて交戦した破壊神シヴァとの再戦を望むが、シヴァが封印されている事を知ると落胆し、戦いをラグナロクに任せる。
ニコラスに代わり、新たな生体ユニットとしてラグナロクに搭載されたのは秋月望愛だった。
ラグナロク相手に打つ手の無いシモンたちだったが、そこに無限光の力で転送されてきたリオンとグレースが現れる。
ラグナロクの攻撃に対応し、リオンが無限光を解き放った時、シモンの目の前に何者かが現れた。
破壊神シヴァと同じ姿をしたその男の名は、破壊と恵みの力を司る神「暴風雨神ルドラ」。
かつてルドラは、アズラエルによって恵みの力と記憶とを奪われ、破壊神シヴァに変貌してしまったという。
無限光の力によって本来の能力と記憶を取り戻したルドラは、今までの蛮行をシモンに詫びると共に、シモンへの協力を約束したのだった。
運命に抗う力、アカシック・ブレイカーである「銃剣リグ・ヴェーダ」
ブレイカーに込める弾丸である神の力、ブレットとなる「暴風雨神ルドラ」
そして、ブレイカーを扱う資格を持つアカシック・トリガー「シモン・フェルナンデス」。
ここに三つの力が揃い、シモンはアカシック・トリガーとして完全覚醒を果たした。
アズラエルにすら捉えられないスピード、そして抑えきれないパワーを発揮し、アズラエルを瞬殺したシモンは続けざまにルドラの持つ「恵みの力」をラグナロクへと放ち、望愛を救い出す事に成功する。
朱元璋との決戦に臨もうとするシモンとリオンだったが、そこでクラウディオは自身の素性を語り始めた。
クラウディオの本当の名は「藤原朔翔」。AOTの初代隊長・藤原宗介の曾孫に当たる人物だった。
彼は双子の兄である藤原朔弥と共に、時空テロ組織DSの野望を阻止するため、1000年以上の時を越えこの世界を訪れたのだ。
しかし、原因不明の事故により、朔弥と朔翔の到着時期には24年の差が生じていた。
朔弥はその24年の間に「ニコラス・ガルシア」という偽名を使い、AOTの小隊長として働くようになっていた。
朔弥と朔翔は藤原宗介から魔力を、その伴侶である女性からは大天使ミカエルの力を受け継いでいた。
そのため、朔翔は遺伝子操作を受けていない人間(ネイキッド)であるにも関わらず魔力を持っており、リオンもまた遺伝子操作とは関係なく「無限光」の力を継承していたのだった。
自らの信じる事のためならばどんな行動もいとわない兄・朔弥とは違い、朔翔は世界を歪めてしまう事に迷いを抱いており、そのためにこれまでは自ら戦う事を拒んできた。
しかし、シモンやリオンの戦う姿を見て考えを改めた朔翔は、世界を守るため戦う決意を固めたのだという。
朔翔が告白を終えた直後、ヴィリアムを伴って朱元璋が一行の前に現れた。
シモンたちに攻撃を仕掛けようとするヴィリアムだが、その瞬間、朱元璋に背後から攻撃されてしまう。
朱元璋は、ACEとDSの相打ちを狙うヴィリアムの策略を既に見抜いていたのだ。
そして朱元璋はその正体、魔女ランダとしての姿を一同の前に晒した。
AOT本部でヴィリアムが切り捨てたランダは、並行世界から連れてこられた別人に過ぎなかった。
ヴィリアムを殺害し、ラグナロクへの生贄としたランダは、時空騎士団ACEへと最終決戦を挑む。
シモンとリオンの戦闘能力はランダに勝るものだったが、ランダには策があった。
ランダは自身が持つ力の一つ、サトゥルヌスの力を応用し「高次元魔封結界」をヴァルハラ全体に展開させ、二人がルドラとミカエルの力を行使できないようにしていたのだ。
そしてランダはラグナロクの完成形「最凶災厄最終決戦魔導兵器ディメンジョン・ラグナロク」と一体化。
ランダはトリガー、ラグナロクはブレイカー、そしてランダ自身とサトゥルヌスの力はブレット。
シモンと同じく、ランダもまた「アカシック・トリガー」であり、運命に抗う力の持ち主だった。
しかし、ルドラを封じられたシモンにはトリガーの力を使えない。時空騎士団ACEは窮地に陥る。
ランダが封じているのはシモンとリオンの力のみ。それを見抜いたクラウディオは、曽祖父・藤原の形見である剣をミカエルの力で変化させた切り札「聖剣デュランダル」をついに開放した。
クラウディオの願いに応え、AOTに集められていた精神的成功体である人々は、デュランダルへと魔力を供給。
全世界から集まった絆の力を込めた一撃を放ち、クラウディオは高次元魔封結界を打ち破った。
その機を逃さず、シモンとリオンはそれぞれの力を開放しラグナロクへと挑む。
ラグナロクの反撃をリオンは「無限光」で防ぎ切ると同時に、その光をもってランダの悪しき力を弱めた。
そして、シモンの放った一撃は、ついにラグナロクを完全に破壊したのだった。
戦いが終わって数ヶ月…再建されたAOTでは、新たに代表となった秋月望愛が全世界に向けてスピーチを行っていた。
そしてAOT本部の入口では、役目を終えたクラウディオ(朔翔)が、元いた世界へ帰らんとしていた。
去り際、クラウディオはこの戦いの主だった関係者のイニシャルが「SF」である事に着目するが、それが偶然なのか必然なのかはこの場にいる誰にも分かり得ない事だった。
時空騎士団ACEと時空テロ組織DSの世界を賭けた戦いは、時空騎士団ACEの勝利に終わった。
そしてこの戦いは「After Century's Epic(後世に語り継がれる叙事詩)」として、
あるいは「時空破戒の乱」と言う名で後の世に語り継がれるのだった。
時の冒険者ACE外伝 ~堕ちた天使の覚醒~
シモン・フェルナンデスがAOTを離れてから半年。
AOT本部第3小隊長アルフォンソ・ロンバルディは、リハビリのため郷里であるスペインへと帰還していた。
スペインで幼なじみのディエゴ・フェリシアーノ、ビアンカ・エリサルデと再会したアルフォンソは、AOTスペイン支部で共に働く事を2人から打診されるが、本部で果たすべき任―シモンの討伐―を理由にその申し出を断る。
時同じくして、時空テロ組織DSの本拠地・ヴァルハラでは、マジードが朱元璋からの呼び出しを受けていた。
彼はマジードに、かつて時空神の神懸りを受けた男、ギルバートが残した研究資料の捜索を命じる。
電気軍需産業EAICの会長でもあるマジードは、部下であるEAIC社長ヴェロニカ・エギンと共にEAICの出資によって設立されたAOTスペイン支部の視察に訪れていた。
しかしヴェロニカとその妹、AOTスペイン支部代表のヴァレンチナ・エギンは、かつてスペインに戦乱を巻き起こしたテロ組織「ジハード」の幹部という裏の顔を持っていた。
消耗した戦力を自動機械「オートマトン」で補い、再びジハードを立ち上げようとするヴェロニカとヴァレンチナ。
マジードが求めていたギルバートの研究資料は、この姉妹の手の内にあった。
彼女たちは研究資料を読み解き、時空神の力を人工再現、更には自分達の体に宿す事に成功していたのだった。
社長秘書ライラ、スペイン支部の小隊長であるジェレミアとミレーヌは、エギン姉妹の手にかかり次々と命を落とす。
異変を知り駆け付けたディエゴもヴァレンチナに殺されかかるが、しかし攻撃を受けたのは身代わりとなったビアンカだった。
ビアンカの死に激昂したディエゴは、その身に宿っていた死神タナトスの力を覚醒させ、ヴァレンチナを葬る。
タナトスの覚醒は、マジードの中で眠っていた死を司る天使アズラエルの再覚醒をも促した。
目覚めたアズラエルはヴェロニカを瞬殺すると、タナトスの力を扱い切れていないディエゴをも殺害してしまう。
スペイン支部の惨劇、そして親友たちの死は、アルフォンソの耳にも速やかに伝わった。
アルフォンソには、もう失うものはなかった。シモンへの復讐を誓い、彼はAOT本部へと帰還するのだった。
時の冒険者ACE外伝2 ~時空を越えた愛のカタチ~
アカシック・レコードの使者との戦いから67年。
老いた藤原宗介は、曾孫である双子の兄弟、朔弥と朔翔に自らの半生を語って聞かせていた。
数日後、藤原は老衰のために他界する。それは時の冒険者の系譜が朔弥と朔翔に託された瞬間でもあった。
藤原宗介の死から10年。16歳となった朔翔は、朔弥と異なり未だに魔力を覚醒させられずにいた。
ある日、幼なじみであり恋人でもある藤堂伊織と共に行動していた朔翔は、「時の冒険者の系譜」の抹殺を図るランダが放ったラグナロクに襲撃され危機に陥る。
魔力とミカエルの力を覚醒させた朔翔は軽傷を負うに留まったが、伊織は重傷を負ってしまった。
更に、時同じくして、朔弥もランダが召喚した次元蟲の攻撃を受けていた。
兄弟の母親代わりだったアンドロイド・シーラは、朔弥をかばって次元蟲の攻撃を受け、修復不可能なダメージを負う。
悲しみにくれる朔弥と朔翔だったが、しかしこれは戦いの始まりに過ぎなかった。
曽祖父の遺志、ミカエルの言葉、そしてミカエルの力を介して伝わった伊織の心の声に後押しされ、
朔翔は朔弥と共に「時空の戒律を乱す存在」と戦う事を決意する。
そして、朔弥と朔翔は藤原の形見である「時の冒険者の証」を使い、並行世界へと旅立っていく。
二人が時空を越える様を眺めていたランダだったが、彼女もまた、謎の男によってその動向を監視されていた。
男は、ランダが時空神の力を有している事すら見抜いていたが、しかしその力を恐れてはいないようだった。
Sovereign Forceでありアカシック・トリガーでもあるシモン・フェルナンデスに期待を寄せるその男は「さあ、私に人類の革新を魅せてくれ」と、誰に対してでもなく呟いた。
一方、入院したままの藤堂伊織の元を訪れる一人の少年がいた。時空テロ組織DS総司令、朱元璋である。
自らの力によって伊織の意識を回復させた朱元璋は、伊織に「藤原朔翔は死亡した」と嘘を吹き込み、更に「自分に協力してくれれば、藤原朔翔を蘇らせてやる」と服従を要求する。
条件を飲んだ伊織に対し、朱元璋はトリガーの力を使い、彼女を「イライザ・トラヴァース」という別人へと変貌させてしまった。
時空を越えて訪れた並行世界で、朔翔は見知らぬ中年男性と遭遇する。
だが、声の主は24年前にこの世界に到着していた兄・朔弥、今はニコラス・ガルシアと名乗る男だった。
シヴァの力を有していると思しき青年、シモン・フェルナンデスの調査を行っていた兄の命に従い、
朔翔は「クラウディオ・デ・ペドロ」という偽名を使ってシモンに接触する。
時は流れ8年後、24歳となった朔翔は、時空騎士団ACEの一員として使命を果たす事に成功した。
役目を終え、元いた世界に帰り行く朔翔の脳裏に、過去の記憶が去来する。
しかし、その中にはなぜか、朔翔の記憶にない情景が含まれていた。
それは、リオンが無限光の力に目覚め、イライザとラグナロクを打ち倒した瞬間だった。
戸惑う朔翔の目の前にイライザが現れる。朔翔を見たイライザは、自らが「藤堂伊織」であった事を思い出す。
朱元璋の呪縛は強力なものだったが、ミカエルの力はイライザにほんの一瞬だけ伊織の姿を取り戻させた。
しかし、イライザの死は変えられぬ運命だった。伊織は朔翔と最後の別れを交わすと、彼の前から消えていく。
自分の世界に帰還した朔翔だったが、周囲の人々と接しているうちに、この世界の人々の記憶から朔弥と伊織の存在が消えてしまっている事に気づく。
伊織がいなくなった世界に絶望した朔翔は、ただ一人、誰もいなくなった家でたたずんでいた。
その頃ミカエルは伊織が入院していた病室で、アカシック・レコードが不正に改竄された跡を発見する。
朔弥と伊織の存在が世界から消えているのはこの改竄が関係していると考えたミカエルは、アカシック・レコードの使者としてレコードの修復を行おうとするが、そこにランダの動向を監視していた謎の男が現れる。
男は、使者にはレコードを修復する権限が無い事、世界の修正こそが使者の役目である事をミカエルに告げる。
そして彼は、レコードの修復を自ら買って出ると、ミカエルに対して「己の存在を賭して藤堂伊織を蘇生させる事」を命じたのだった。
使者に権限が無いというなら、権限を持つこの男の正体は…。ミカエルは全てを察し、その命に従う事を決意する。
朔翔は藤原宗介の眠る墓の前に来ていた。その背後から、一人の女性が朔翔へと声をかけた。
声の主は、まぎれもなく伊織だった。ミカエルは謎の男との約束を守り、伊織の事を蘇生させていたのだ。
しかし、その代償は大きく、ミカエルは力を使い果たし消滅してしまう。
ミカエルが蘇らせたのは伊織だけではなかった。朔弥とシーラもまた、この世界で復活を果たしていた。
母親代わりではなく「パートナー」として、シーラと向き合う決意を固めた朔弥。
そして朔翔もまた、伊織に結婚を申し込む。心からの笑顔で、伊織はその言葉を受け止めた。
第3シリーズ/Fシリーズ
時の冒険者F 融合という名の新境地 起の章
人々の夢と幻によって構成された心象世界「夢幻世界ジェネシス」。
そこで活動するS級ハンターのアル・マムーンは、敵対するギャング組織フーリガン、その協力者である登録外ハンタールパート・ケアードらが出入りしているという古代遺跡の調査へと向かう。
しかし遺跡の最奥にて、アル・マムーンは右目の痛みに、同行したハンターギルド長ユーフェミアは頭痛に襲われる。
間髪を入れず激しい地震が発生し、更に謎の光がハンター一行を包む…
時の冒険者F 融合という名の新境地 承の章
時空テロ組織DSと時空騎士団ACEの戦いから500年が経過した世界。
遺伝子操作が禁忌とされ、魔力が失われたこの世界に生きる、双葉刹那という大学生がいた。
親友の不手際に巻き込まれ、補講として古代遺跡を訪れた刹那は、突如発生した左目の痛みに苦しめられる。
そして、現実世界の古代遺跡もまた、謎の光に包まれる…
時の冒険者F 融合という名の新境地 転の章
光が消えた時、刹那たちの目の前には、アルたちハンター一行が立っていた。
互いの事を警戒しながらも、状況を理解するために歩み寄る刹那とアルだったが、脳内に響く謎の声に戦意を煽られ、一触即発の事態に陥ってしまう。
しかしコールドスリープから目覚めた古代の民・伊邪那美の助けにより、二人は正気を取り戻す。
夢幻世界ではユーフェミアの父であるハンターギルドの会長として、現実世界では大学教授として、
アルと刹那を巧みに古代遺跡に導き、本来交わる事のない二つの世界を繋げた男がいた。
彼の名はアーチボルド・テスタロッサ。アーチボルドは伊邪那美と共に眠りについていた古代の民・伊邪那岐と結託し、それぞれの目的のために暗躍していたのだ。
伊邪那岐の目的は、双葉刹那とアル・マムーンから自分の精神の欠片を取り戻す事、そしてかつては将来を誓い合った仲だった伊邪那美を自分の手中に収める事だった。
アルと刹那の脳内に語り掛け、互いに対する殺意を芽生えさせたのも、その計画の一環だった。
更に、伊邪那岐は次なる手段として、古代に封印された悪神・四凶を現世に召喚。
四凶の力の前になすすべなく伊邪那美は囚われ、アルを含むハンターたちは半死半生の窮地に追い込まれる。
アルに続き刹那までもを葬ろうとした四凶と伊邪那岐の前に、正体不明の男が現れた。
創造主・フュージョンにも匹敵する力を持つ男に気圧され、伊邪那岐はやむなくその場を撤退する。
瀕死の重傷を負ったハンターたちを救うため、謎の男は一行に、ある提案を投げかけた。
それは、実体と心象体が一つとなり、本来の姿になる事だった。アルたちを救う方法は、それしかないという。
自分は刹那の心象体であり、刹那は自分の実体であると、アルは既に気付いていた。
それは、アルの仲間たちも同様だった。アルたちに、融合する事へのためらいは微塵も無かった。
ハンターたちの意志を確かめた刹那は、男の提案を受け入れ、心象体と融合する決意を固める。
時の冒険者F 融合という名の新境地 結の章
融合を遂げた一行に対し、謎の男は「S」という名を名乗った。
アーチボルドとの接触を嫌い、Sが一行の元を去った直後、伊邪那岐と四凶がまたも現れる。
だが、心象体との融合を果たし魔力を手に入れていた刹那たちは、伊邪那岐や四凶を圧倒するほどの力を持つ存在となっていた。
戦闘を逃れ、ハンターギルド内に避難していたユーフェミアを捕えたのはアーチボルドだった。
伊邪那美の心象体であるユーフェミアは、アーチボルドの計画にとって必要不可欠な存在だったのだ。
独断で計画を進めようとするアーチボルドに対し伊邪那岐は勝負を挑むが、あっさりと蹴散らされ伊邪那美・ユーフェミアと共に囚われてしまう。
四凶に勝利した刹那たちは、ユーフェミアの不在にすぐに気付いた。
アーチボルドの招きに応じ、Sと共に敵の本拠地「擬似的古代空間」を訪れた一行は、魂を抜き取られ抜け殻となった伊邪那美、ユーフェミア、伊邪那岐の姿を目の当たりにする。
伊邪那美と伊邪那岐、二人の古代人の精神を生贄に、アーチボルドは偽の創造主・フュージョンへと働きかける。
直後、一行は異次元空間へと転移していた。その空間の名は「事象確率変動空間」。
あらゆる事象の起こる確率がゼロへと収束していくこの空間は、人間が滞在し続ければ「この世に存在する確率がゼロに収束する」、つまり消滅してしまうという恐るべき場所だった。
「真の創造主」Sを滅ぼすという目的を表明し、フュージョンに協力を呼び掛けるアーチボルド。
フュージョンもまた、創造主の消滅を望む存在だった。フュージョンは、アーチボルドに対し己の力の一部を与える。
怪物へと変貌したアーチボルドは、刹那たちに向けて攻撃を開始した。
この空間にいるだけで消滅へと近付く一行にとって、この戦いはあまりにも不利なものだった。
しかし、創造主SはSovereign Forceである双葉刹那の、そして時の冒険者の系譜の可能性を見届ける事を望んでいた。
Sは己の力の全てを使い、事象確率変動空間の機能を停止させ、刹那たちの危機を救う。
そして同時に、アルたち「心象体」を、刹那たち「実体」から独立した存在として復活させたのだった。
復活を遂げたアルは、フュージョンに取り込まれた伊邪那岐と互いの精神を共振させ、フュージョンの内部から伊邪那美とユーフェミアを脱出させようと試みる。
精神が混ざり合い伝わり合うフュージョンの中で、伊邪那美と伊邪那岐はお互いの考えを理解しあっていた。
かつての優しさを取り戻した伊邪那岐は、伊邪那美の事を双葉刹那へと託し、伊邪那美とユーフェミアが脱出するための突破口を開く。
そして自分自身は、古代人の悪意が流出する事を防ぐため、フュージョンの内部に残る事を選んだのだった。
刹那、アル、伊邪那美、ユーフェミアを中心として、一行は「想いの力」を集中させる。
それは、アーチボルドをも撃破する強大な力となった。
フュージョン本体には逃走されてしまったものの、当面の危機は去った。
戦いを終えハンターギルドに帰還した一行の前に、消滅したはずの創造主Sが現れる。
Sは、万一の事態に備え、救済措置として「復活のフラグ」を用意していたのだ。
しかし、復活のフラグが誤作動を起こした事により、Sは再び消滅してしまう。
「人類の革新を導く七色の力が揃うとき…この世界は…刹那、気を付けろ…」と、怪しげな言葉を言い残して。
時の冒険者 AfterF 去りし記録のパラドックス
フュージョンとの戦いから一年。同棲生活を送っていた双葉刹那と伊邪那美だったが、
ある日、前触れもなく双葉刹那は行方不明になってしまう。
刹那の消息を知るため、かつて共に戦った仲間たちの元を訪ねて回った伊邪那美は、
仲間たちが皆「刹那は一年前に戦死した」と認識している事に愕然とする。
実際には、刹那は死んではいなかった。
彼は「ゼノン」と名乗る謎の男に捕らえられ、事象確率変動空間に監禁されていたのだ。
伊邪那美たちの身を案じる刹那だが、彼女たちを助ける術も、ゼノンから逃れる術もなかった。
ユーフェミアを訪ねて立ち寄ったハンターギルドで、伊邪那美たちは謎の怪物と遭遇し、危機に陥る。
一行の窮地を救ったのは、セラフィナ・フィッツジェラルドという女性剣士だった。
そして彼女に続くように、双子の兄であるサリヴァン・フィッツジェラルドもこの地に姿を現す。
二人はこの時代の人間ではなく、またどちらも神懸りの力を有していたが、何らかの理由から伊邪那美たちにそれを打ち明ける事は無かった。
セラフィナとサリヴァンに続き、様々な時代からの来訪者「時空の彷徨い人(ゲスト)」が次々と出現する。
シモン・フェルナンデス、リオン・ガルシア、ディエゴ・フェリシアーノ、ヴィリアム・レーンクヴィスト、そして藤原宗介。
偶然か必然か、各時代の実力者がひとところに集まりつつあった。
ゼノンの眷属と化していたルパート・ケアードとアルフォンソ・ロンバルディを救い出した一行は、
強化された四凶の襲撃を受け絶体絶命の窮地に陥る。伊邪那美が殺されかけたその時、刹那の力が目覚めた。
刹那はゼノンを打ち倒し、事象確率変動空間を切り裂くと現世に帰還。
その勢いのままに四凶を撃破すると、一行の改竄された記憶を修復し、負っていた傷も全快させた。
しかし、刹那と再会した伊邪那美は「アカシック・パラドクサー」なる存在のメッセンジャーとして覚醒し、刹那たちの敵となってしまう。一行に残された時間は一週間。
一週間後には「真のノアの方舟計画」が発動され、世界は終焉を迎えてしまうのだ。
アカシック・パラドクサーが待ち受ける事象確率変動空間への扉を開くカギ、それは七人のSovereign Force(人類の革新を促す存在)だった。
「SF」をイニシャルに持つ七人、「藤原宗介」「シモン・フェルナンデス」「リオン・ガルシア(藤原蒼真)」「双葉刹那」
「アル・マムーン(セツナ・フタバ)」「サリヴァン・フィッツジェラルド」「セラフィナ・フィッツジェラルド」。
七人のSovereign Forceはそれぞれの力を合わせ「七色の力」を発動。パラドクサーの本拠地へと乗り込む。
パラドクサーによって「忌憶の世界」に引きずり込まれ、己の過去との戦いを強いられた一行だったが、それぞれの意志の力、そして死した同胞の協力によって忌憶を乗り越える事に成功する。
そして刹那は、忌憶の世界で再会した伊邪那岐から力を譲り受けた事により、アカシック・トリガーとして、そしてアカシック・レコード史上最強のSovereign Forceとして覚醒を果たした。
困難を乗り越え、ついに伊邪那美の元に辿り着いた刹那は、トリガーの力を使い伊邪那美をパラドクサーの手から救い出す。
そこに現れたのは、かつて刹那を苦しめた、あのゼノンだった。彼こそが、アカシック・パラドクサーだったのだ。
相対した刹那に対し、ゼノンは妙な言葉を投げかける。
「貴様とは何兆回も邂逅しているが、ここまでしぶとかったのは初めてかもしれんな」
ゼノンによれば、刹那たちSovereign Forceは幾度もゼノンに破れ去っており
その度に世界は輪廻を迎えていたのだという。現在の周回は「イレギュラー」となる要素が複数存在しているが、
創造主さえも凌駕する能力を持つゼノンは、それを知ってもなお己の勝利を確信していた。
ゼノンの圧倒的な力に、防戦一方となる刹那たち。最初にその力の犠牲となったのはヴィリアムだった。
だが、ヴィリアムは死してなお倒れず、魔封結界の力を応用しゼノンの持つ力を奪い取っていた。
刹那、アル、伊邪那美、ユーフェミア、シモン、ディエゴ、藤原、亜美、クレア、リオン、セラフィナ、サリヴァン、ヴィリアム。
ゼノンから奪った力を元手にして、13人は融合し「超精神統合体アカシックソヴリンフォース」となる。
それに呼応し、ゼノンも真なる力を開放し「超アカシックパラドクサーゼノン」の姿へと変貌。
熾烈を極める戦いに勝利したのは、刹那たち、Sovereign Forceだった。
ゼノンを消し去った光の中に、かつて消滅した創造主Sの姿があった。
Sもまたゼノンが生み出した輪廻に囚われており、だからこそゼノンの消滅に伴い復活する事ができたのだ。
サトゥルヌスが藤原宗介たちに魔力を与えた事、ギルバートに神憑りし、神の力を人間にもたらした事、ランダやエギン姉妹がこの力を悪用した事…創造主Sは、この周回に存在したイレギュラー要素を一行へと語った。
その中でも最も大きなイレギュラー要素、Sovereign Forceを勝利に導いた最重要因子とは、
本来は生まれてくるはずが無かったSovereign Force、サリヴァンとセラフィナの存在だった。
本来であれば、この場にいなかったSovereign Forceである「藤原朔翔(クラウディオ・デ・ぺドロ)」と「藤原朔弥(ニコラス・ガルシア)」の二人が七色の力の一角を担っていたとのこと。
創造主Sの復活は一時的なものでしかなかった。彼は、残された力を時空の彷徨い人たちの帰還、
そしてゼノンに植えつけられた「パラドックス因子」によって、余命いくばくもない伊邪那美の延命へと使った。
「あなたたちに出会えて本当によかった…ありがとう」そう言い残し、創造主Sは一行の前から姿を消した。
ゼノンとの戦いから一か月。その日は、伊邪那美と刹那が結婚する日となるはずだった。
しかし、パラドックス因子に蝕まれた伊邪那美は、迎えにきた刹那の目の前でこの世から消滅してしまう。
顛末を仲間たちに伝えた刹那は、創造主に代わり、人類の可能性を見届ける役割を果たすため、
ただ一人どこかへと去っていくのだった。
時の冒険者F Burst of Illusion 幻想を破りしモノ。
仲間たちと別れた刹那は、創造主Sの遺志を継ぎ、数多の並行世界を見守る任を果たしていた。
そんな中、刹那の中に宿る須佐之男・天照・月読の精神が、刹那に対しある幻視を見せる。
それは数億年の昔、伊邪那美と伊邪那岐が共に暮らしていた頃の姿だった。
四凶との大戦により大幅に数を減らした古代人は、その多くが肉体を捨て、精神体となる事を選択していた。
その結果、里に残ったのは成人を迎えたばかりの伊邪那岐と伊邪那美、そして時空の力を持つ古代人サトゥル=ナリア・クロノスの三名のみとなっていた。
人気のない里に、魔術の最高峰「仙術」を極め、仙人と呼ばれる三人の古代人(伝説の三貴神)が帰還する。
その古代人、建速須佐之男命、天照大御神、月読命は、伊邪那美と伊邪那岐に対し、人間として寿命を全うするか、あるいは精神体として同胞たちと永遠の時を過ごすか、いずれかの道を選ぶよう諭した。
精神体となるための儀式を行う満月の夜は目前に迫っており、そして成人を迎えた古代人には己の行く末を定める義務があるのだ。
その満月の夜、三貴神は不審な力を感知し、発信源である遺跡へと調査に向かう。
遺跡にいたのはサトゥル=ナリアだった。自身に接触してきたゼノンから並行世界に関する知識を学んだ彼は、四凶を取り込み「神」となる事で、並行世界を統べる「時空神」となる事を画策していた。
サトゥル=ナリアの野望を食い止めようとする三貴神だったが、四凶の力を取り込んだサトゥル=ナリアは強く、三貴神はなすすべもなく蹴散らされてしまう。そこに、異変を察知した伊邪那岐が現れた。
最後の賭けとして、三貴神は伊邪那岐と一体化し、自分たちの力を全て伊邪那岐に託す。
伊邪那岐とサトゥル=ナリアは互角の戦いを繰り広げるが、策によりサトゥル=ナリアが優位に立つ。
危機に陥った伊邪那岐だったが、駆け付けた伊邪那美の魔術により体力を回復させた後、伊邪那美と力を合わせ辛うじてサトゥル=ナリアを撃破した。
幻視はここで終わっていた。そして幻視から覚めた刹那の目の前には、本物の三貴神が現れていた。
事象確率が不安定なこの空間では、既に肉体を持たない三貴神も、実体として顕現する事が可能だったのだ。
だが、そこにいたのは三貴神だけではなかった。ゼノンもまた、復活を果たしていた。
事象確率変動空間に散ったと思われていたゼノンは、実は伊邪那美の体内に潜み、復活の機を伺っていた。
そして力を回復させたゼノンは、伊邪那美を「消滅した」かのように見せかけて刹那たちから引き離し、実際には己の依り代として利用していたのだった。
ゼノンの力に圧倒される刹那の前に、創造主Sの力によって復活を果たしていた伊邪那岐が現れる。
しかも、伊邪那岐は刹那以外のSFが持つ六色の力を創造主Sから託されていた。
刹那、伊邪那岐、三貴神は力を合わせ、ゼノンを再び撃破する事に成功する。
しかし、ゼノンは最後の悪あがきに、伊邪那美を道連れにして消えて行った。
伊邪那美を救えなかった悲しみに暮れる刹那を、伊邪那岐が叱咤する。
創造主Sは、伊邪那岐にサトゥル=ナリアが持つ時空を司る力までも預けていたのだ。
三貴神と伊邪那岐の協力により、刹那は時を逆行し、伊邪那美の救出に向かう。
辿り着いた過去で伊邪那美と再会した刹那は、かつて伊邪那岐と伊邪那美がサトゥル=ナリアを倒した時のように互いの力を重ね合わせてゼノンを打ち倒す。長かった戦いはついに終わった。
刹那は伊邪那美へと語り掛ける。「帰ろう…みんなが待つ俺たちの世界へ…」と。